怖いリーダーが本当は心のやさしいリーダー
今年の任期交代式もよかった。
柳田主将をはじめ、四年生全員がそれぞれ自分が過ごしてきた四年間を
満足感を味わいながら、仲間と指導陣に感謝を込めて淡々と語っていた。
今年の四年生は、最高学年になって卓球人生最高の状態を築き、今日現在、
尚成長しつつあるという状態で、努力家が多く、三年生以下では、
新主将となった川口以外は、中々レギュラーの一角を占めることができなかった。
「他の大学の人達は、レギュラーの殆どが卒業してしまうので、来年の明治大学は弱い、もしかしたら、最下位の可能性もあると期待しているだろう。
「しかし、そのような期待にはお答えできません。という気持ちで努力して欲しい」と
おっしゃった高川部長の挨拶もよかった。
三年生以下は、この伝統ある明治大学のレギュラーとなって活躍するチャンスが
到来したのだ、全員チャンスがある、
「今やらなきゃ、こんなチャンスは二度と来ない」と思って強い決意を持って欲しい。
リーダーがやさしい組織(チーム)は潰れる。
一般にいわれる「やさしい」には幅がある。無関心からくる放任主義による「やさしさ」
関心があるのは、自分のことだけ、他人には余り関心がない。
選手が頑張っていても評価せず、怠けていても責任を感じない。
選手の長所や短所にも興味がないので、気がつかない。
選手をよく見ていないので、心が通う会話などない。
選手の育成にも責任を感じていない。
育成について聞くと、「人は自分の力で育つもの。伸びる人は何もしなくても伸びるし、
だめな人は、どんなに教育してもだめ」と答える。
だから、夜遊びしても、煙草を吸っていても注意もしない。
選手が何をしても許すので、一見「やさしい」と誤解されるが、
自分さえよければ、周りはどうでもいいという「自己中心」で自分の売名だけを考えている。こういう人は、心の冷たい人である。
怖いリーダーが本当は心のやさしいリーダーである。
思いやりのある人は、放任しないし、甘やかしもしない。
怖いや厳しいは、やさしいの反対ではない。
「やさしい」の反対は「冷たい」である。本当にやさしい人はあたたかい心の持主だ。
選手に対する思いやりがある。
思いやりのある人は、選手を放任しないし、甘やかさない。
選手の甘えを許さない。規則違反を許さない。怠慢を許さない。努力不足を許さない。
選手として不適切な考え方を許さない。
精一杯努力していれば、仏様のように目を細めて見守っているが、横着をしたり、
怠慢な態度には厳しく臨む。
問題のある選手は、「うるさい監督」、「厳しい監督」と思い、怖がり、逃げようとする。
しかし、優秀な選手は、自分もこっぴどく叱られたことがあるのに
「うちの監督はやさしい」と思う。
問題選手は監督から逃げる。
優秀な選手は監督を信頼し、監督に近づこうとする。
この真の「やさしさ」を持つ監督がいるチームの選手は、
他の大学の選手と比べると、人間としてのできが2段は上になる。
だから、競争すれば、必ず勝つのだ。
勝ち組のチームリーダーは、この「真のやさしい」心を持つ人である。
明治大学卓球部は、歴代このような監督を擁して、しかも指導陣が結束している。
そして、全部員を日本人として立派な人間に育て、
立派な社会人として羽ばたいてくれるよう願って育成するのだ…
と強い信念を持って行動しているのである。
人生には、いろいろなハードルがあって、それを乗り越えなければならないハードルが
次から次へと起きてくる。
自分の立てた目標もその一つ。
📷半年後、自分はこうなっている
1年後、自分はこうなっている
2年後、自分はこうなっている
と立てた目標をクリアしていく。
「自分の実力では無理だ」「不可能だ」と考えてしまったり、ハードルが高いからといって、
尻込みしていては、いつまでたってもハードルはクリアできない。
実力も身につかない。
「無理だ」と考える前にまず、「やってみる」。それが何より大切。
これから、明治大学にも越えなければならないハードルが次から次へとやってくるだろう。
一人一人が自分のために努力して、
それがチーム全体のパワーとなるよう心から期待している。