夢は逃げない、自分が夢の前から去っていくだけなのだ。
「決めればいいんです。人間は可能性があるんだから。
あぁでもない、こぉでもないって考える前に自分を信じなさい。
自分はこうなるって決めればいいんです。」…とある人の話を聞いた。
しかし、現実は?
本当に自分の可能性を信じ続けることが出来る人が何人いるだろうか?
柔道のヤワラちゃんこと田村亮子選手は、シドニーで、ついに念願を果たした。
勝負というのは、“強いから勝てるとは限らない”…とつくづく思った。
田村選手はバルセロナで昇竜の如き勢いがあった。
アトランタでは柔道人生で最も充実していると言われていながら、不覚にも思わぬ相手に決勝で敗れた。
そして肉体の衰えが心配された今回のシドニーで夢をかなえたのである。
理由を探ると、その衰えこそが田村に「金」をもたらしたように思える。
下り坂の体を別の何かで埋め合わせをする心や頭の使い方で、すきのない柔道をさせたのではないかと思う。
「最高でも金メダル。最低でも金メダル。」…と有言実行で、
自分自身に精神的な負荷を与え続け、努力してきた精神力には頭が下がる。
「神様は、乗り越えられない試練を人に与えない。」
彼女は、かつてそう語っていた。
常人なら悲嘆にくれる状況で、それを乗り越え、
「初恋の人にやっとめぐり合えた。」のである。
田村選手にも、きっと色んな雲がかかっていたに違いない。
オリンピックでの二度の敗戦、負けた後の精神的な辛さ、ケガ、周囲からの声、プレッシャー…
でも最後まで雲に惑わされることなく、太陽を見つづけたに違いない。
どんなに辛い時にも、きっと太陽が輝いていると心に決めていたに違いない。
一度挑戦して上手くいかなかった時を失敗というのだろうか。
私はそうではないと思う。
上手くいかなかった原因を徹底的に探り、分析して学んで、次の挑戦を間違わないように有利に運べるよう工夫して実行していく。
失敗とは挑戦を諦めた時に言うのであって、挑戦し続けている限り失敗という概念はないんです。
諦める迄、夢はそこで待っていてくれるんです。
諦めた時、自分が夢の前から去っていくだけなのだ。
夢は逃げない。自分が夢から逃げ出したのだ。
未来は我々が創るのです。
我々の「強い思い」や、多くの人々の「思い」は実現する可能性が高いのです。
もう一度言います。
未来は決まっていない。
未来は我々が創るのである。
自分の熱い思いを達成する為に、執念を持って絶対に諦めないことである。