『 意識改革ができるか 』~羽生結弦選手に学ぶ~
人間が成長していくためには意識を変えるという事は非常に重要です。
「意識革命」…言葉で言うのは簡単だけど、実際には難しい問題です。
意識革命には奇策はありません。
例えば黒い布を青に染め直そうとした時、黒いまま青の染料の中に入れても、
それは黒のままで青くはならない。青に染め直すなら、まず黒い色を脱色してからでなければ、青く染まらない。
「これが正しい」と信じ込んでいる人に「それは間違いだよ。正しいのはこうだよ」と言って頭を切り替えさせようと思っても、そう簡単にできるものではない。
意識革命には奇策も特効薬もないのです。
意識革命とは人間の心の持ち方に関わる抜本的な改革のことですから、
その人が「なるほど、そうか。」と納得しなければ起こらない。
スポーツの世界でもビジネスの世界でも、ベテランになるほどその環境(職場・チーム)の古い習慣やしきたりにしがみつき、考え方を変えられないものです。
2年前の平昌冬季オリンピック、羽生結弦選手はその3ヶ月前に右足首を怪我した
にも拘らず、66年ぶりのオリンピック2連覇という偉業を成し遂げた。
「怪我の詳細の状態はわからないです。」
試合を終えた2月28日の記者会見で、羽生はこう話した。
検査も受けたが靭帯損傷に加え、ひねった方向が複雑すぎて治療法もすぐに判断ができない。
「痛み止めの注射を打ちたかったけれど、打てない部分だった。痛み止めの薬を飲んで飲んで飲まないとジャンプが跳べないし、降りられない。治療期間が欲しいです。」
オリンピックでなかったら欠場していたかもしれない。
その状態での偉業達成には本当に頭が下がる。
羽生選手は勉強好きで知られている。
4年前のソチ・オリンピックシーズンから、大学の授業をオンラインで受講する。
特に人間工学、力学、運動生理学。
またスケートにつながるような科目は趣味のように学んでいる。
「解剖学とか好きです。この知識があると、ケアしてもらうときに便利です。」
「ソチからの4年間は故障に苦しみ抜いた。こうなるとは思いもよらなかった。」というほど アクシデントが多かった。
そして1番大きい試練がオリンピック本番の3ヶ月前にきた。
珍しく順調に仕上がってきてトラブルのないシーズンだと思っていた矢先の出来事だった。
「でもあのまま順風満帆だったら、金メダルは取れなかった。これは間違いなく言える。」
練習ができない2ヶ月間は、座学の時間とした。
過去の映像を見てオリンピックで演技するイメージを膨らませ、リハビリ、治療方法などを貪るように学んだ。
「心拍数とかメンタルコントロール術だけで、多くの論文がある。競争の心理学とか面白い。」
このような勉強は、普通、コーチや監督が主にすることだが
現役のアスリートでここまで座学を好む選手はあまりいない。
「いろいろなことを考え、分析して最終的に自分の感覚とマッチさせて氷上で出せることが一番の強み。だからこそ爆発力が出る。」と羽生選手は言う。 ※(参考)日本経済新聞2018年2月19日
今コロナウィルス対策で、自宅待機が多く、実践(訓練)の場が少なくなっている。
その余った時間をどのように有益に使うか、
「今までやろうと思っても作れなかった、天から与えられた貴重な時間だ。
有意義に使わせてもらおう…」 と、意識改革ができるか ・・・。
今迄どうしてもやれなかった課題を徹底的に分析するとか、
羽生選手のように勉学の時間に充てるか、
人間力の向上目指して自分自身の成長に使うか、
やることはいっぱいありそうだ。
今までとは全く違う発想で意識改革し、
自分自身を劇的に変えていくチャンスにしよう!!