本気で願晴ろう

2019/8/01

『 本気で願晴ろう 』
~ 松岡修造氏に学ぶ ~
東京オリンピック・パラリンピックまで、いよいよ1年を切った。
パラリンピックの選手はもちろん、義足を履く人たちの意識は、
「障害を隠す」 から 「義足を見せる」 へと、大分以前から変わってきています。
たとえ足を失っても、勇気を失っていない限り、何も失ってはいないからです。
彼らが走る姿は実に美しいし、格好良い。
夢と勇気を失うことのない彼らは、我々に感動と勇気を与えてくれています。
自分が志した道や仕事に対して 「本気」 であるかどうか。
何事も 「本気」 になれば、志した道でも、仕事でも、本物になっていくものです。
本気にならないと目標は達成出来ないし、目標を達成する道のりに喜びを見出すからこそ楽しいのです。 「本気」 とは 「命がけで好きになった」という事でしょう。
先日 ある会合で、日本テニス協会 強化副本部長の 松岡修造氏 の卓話を聴いた。
その中で、印象に残ったお話しの一部を紹介します。
僕がジュニアに伝えているのは、「即断、即決」。これは、日本人ができないことです。
すぐに判断して、すぐに決めて、自分らしくいること。テニスというスポーツは、
最も日本人の考え、教育に向いていないものです。僕が最も苦しんだことです。
だから、最初に伝えるのは 「ボールに絶対、操られるな」 ということ。
ボールを待って打つのではなく、自分からボールに向かって行き、自分でボールを放つ。
大体の子供たちは来たボールに合わせて打っている。ボールに操られている状態です。
そうではなく、すべてのボールを自分が全部操っていくんだという思いで
向かって行かないとダメなんです。
今、世界で最もテニスの才能がある選手と言えば間違いなくフェデラーと錦織です。
僕は彼が11歳の時にそう思いました。だから僕は彼に技術を教えられない。
ただ、彼が「僕の夢はグランドスラムで優勝することです」 と11歳で言ったので、
僕は1番きつく接しました。3年間、彼は何度もバケツいっぱいくらい泣いていました。
ジュニアの合宿はミーティングが大事です。ものすごく緊張した雰囲気の中で、
ジュニア達に「感じたまま踊れ」と指示が出ます。
いろいろな曲がかかっても、緊張して踊れない。泣き始めます。
「じゃあ帰れ。世界へ行きたいならどうにかして、何でもいいから動いてくれれば
自分の殻を破れる。」・・・・そういうトレーニングをしました。
もう一つは表現、インスピレーションが必要で、「今日、どうだった?」と聞かれた時、
「僕は今日ここへ行ってこう感じて、だから相手に対してこうやっていきたい」と
すべてのものを入れてちゃんと話してほしい。これがテニスだと思うんです。
ボールが来た時にどんな気持ちでどこにどんなボールで打つかは、会話と一緒なんです。
テニスは、脳の中で先にどこに打つのかを、イメージしてインスピレーションで作る。
それをなぞるヤツは上手い。
ボールが来てその場限りで「一生懸命がんばります」とやっている人は全然楽しくない。
この部分がどれだけできているかを合宿でやってきました。
僕はジュニアキャンプに参加した多くのジュニア達に、自分の人生のチャンピオンに
なってほしい、それしか思っていません。全員がトップの世界に生きることは出来ない。
けれどここで学んだこと、私と関わったことで新しい自分と出会い、社会に出て行った時に自分の考えをしっかり持って、人生のチャンピオンになって欲しいと願っています。
僕は 3つの幸せ があると思っています。
「してもらう幸せ」、「出来るようになる幸せ」、一番大事だと思うのは、「与える幸せ」。
僕はこのジュニアの選手たちが大人になって、一人でも多く自分の人生のチャンピオンになり、「与える幸せ」が多い人生を送ってくれること、
それが僕にとって唯一誇れることだなと思っています。
非常に参考になる話があったので、抜粋して紹介させていただきました。
過去には10年一昔と言っておりましたが、現在では5年~3年、いや2年一昔と言ってもいいほど時代の流れは早く、まさに 「光陰矢のごとし」 です。
過去の10年と「これからの10年」を考えると、未来は十分に時間があるように感じてしまう。
しかし時間ほど高価なものは無いのです。1日の価値はとてつもなく大きいのです。
人間は高い目標を持つからこそ向上するのです。未来は自分で想像し、自由に決める ことが出来るものだから、この一瞬一瞬を充実させて明るい未来に備えて、「願晴る」。
願いを込めて晴れやかに努力していきましょう。