誇りとやりがいを持って物事に打ち込むことのすばらしさ

2017/11/01

『誇りとやりがいを持って物事に打ち込むことのすばらしさ』
              (テッセイの再生物語と明治大学卓球部)

秋季リーグ戦優勝おめでとう。
今回の優勝は部員全員が一体感を持ってすばらしいチームワークのもと、
全員の思いが原動力となって想像以上の結果を生んだものだと思う。

森薗、全日本大学総合卓球選手権大会優勝おめでとう。
4年間で3回の優勝、そして大学生のオリンピックといわれるユニバーシアードで
シングルス2連覇と本当にすばらしい活躍・・・明治大学の誇りである。

『ハーバードでいちばん人気の国・日本』という書籍があります。
アメリカのハーバード大学といえば、いうまでもなく世界最高学府です。
なかでもハーバード大学経営大学院は、世界に名だたる企業のCEOや
アメリカ大統領など、多くのリーダーを輩出してきた。

そのハーバードでは今、一番人気のある国は日本だ…という。
日本への研修旅行は、毎年100名の予約枠がすぐに埋まってしまうそうだ。
ハーバードは何故日本に学ぶのか。

とりわけ、JR東日本が運行する新幹線の清掃業務を請け負う
「テッセイの再生物語」は、学生の間で大反響を巻き起こしているそうです。

そもそもテッセイとは、在来線電車の清掃を担当する鉄道整備会社が前身ですが、
今では新幹線車両専門の清掃会社になりました。
元々は乗客からのクレームが多く、離職率の高い、評判の良くない会社だったそうです。
それが、JR東日本から矢部輝夫さんが赴任してきたことがきっかけで、
大きく変わることになります。

赴任当初、清掃現場を見て回りながら矢部さんが感じたことは、
「自分たちはしょせん清掃スタッフ」という意識が
従業員の間に蔓延していることだったといいます。

そこで、矢部さんは清掃業務という仕事の価値を考えて、清掃スタッフはお掃除のおばちゃん、おじちゃんではなく、「世界最高の技術を誇るJR東日本の新幹線のメンテナンスを、
清掃という面から支える技術者なんだ…」と定義した。
簡単に変化が現れたわけではない。
しかし、従業員の要望一つ一つに丁寧に対応することによって、
自らの意見が反映されるさまに、徐々に積極的な改善提案がなされるようになった。

新幹線が駅に到着してから、次の乗客が乗り込むまでの7分間という限られた時間の中で、
さらに効率的に作業するにはどうすればよいか、
どんな清掃道具があったらいいか、
清掃でホームに待つ乗客の目を楽しませるにはどうしたらいいか、」
ということを考えるようになっていったのです。

その地道な改善を繰り返すことで、かの有名な「7分間の奇跡」を実現するに至ったのである。
この「7分間の奇跡」が注目を集めたのは、
清掃作業そのものに対する視覚的な面白さだけではなく、
働く従業員が誇りとやりがいをもって仕事していることにあるのだという。

清掃という、敬遠されがちな業務に対し、お金のためというよりも、
「人のために役立っているのが楽しい」と感じながら仕事をしていることこそが
「奇跡」なのだと。             (『ハーバードでいちばん人気の国・日本』佐藤智恵著、PHP研究所)

明治大学卓球部の基本理念も全く同じである。
常に選手の側にいて技術指導は勿論、体調管理から、心理状況を把握して、
指導を怠らない監督、
自分が努力する後姿で選手を引っ張る主将、
部内外の渉外活動を始め、チームの環境作りや選手のアドバイザーとして力をそそぐ主務。
寮長として選手全員の健康や日常生活を見守る選手。
レギュラー選手として試合で集中し、全員の声援を背中に受けながら、願晴る選手。
練習相手として、チームのために懸命に努力する選手。
多球練習のとき、心を込めて球拾いをする選手。
便所掃除を担当する選手。
声を枯らして懸命に声援を送る選手等々。

数十年に亘ってオリンピックや世界選手権に日本代表の主力選手を輩出している
日本一の大学だという誇りとやりがいを持って
全員がそれぞれの持ち場に責任を持ち、自分の役割をしっかり果たしていく。
これが苦しい試合を逆転し、想像以上の力を発揮する原動力になっている
・・・と私は確信しています。

秋季リーグ戦の反省文より抜粋(順不同)
作成者名、文中氏名は全て匿名とした。

①中国オープンが終わり、監督と色々と話し合い、いくつか卓球を変化させました。
その結果卓球を変化させてから少しずつ勝てるようになりました。
この経験を僕だけの物にするのはもったいないと考えチームでシェアしました。
ある選手が僕と同じでシングルスで結果を出せていなかったので、
自分の練習の時間を削っても彼の練習に付き合いました。
物凄く厳しいことも言ったし、練習メニューは苦しいものばかりでしたが
最後まで付いてきてくれました。
彼が郡山を倒した瞬間思わず込み上げて来るものがあり同時に、
教えることで自分自身プラスになる事があると気づかされました。
こういった経験は自分一人ではできない経験なので明治に来てよかった、
みんなと卓球ができてよかったと切に思いました。

②リーグ戦前や期間中の練習日には、
1年生から4年生のリーグ戦メンバーではない人の誰かが球拾いに来てくれて
朝9時から12時までリーグ戦メンバーが練習し、そしてその後自分たちの練習、
そして3時からまた僕らが練習し、終わってからまた19時から練習と
休むこともなく球拾いをしてくれた人に本当に感謝したいと思います。

③私はベンチ外でサポート側だったが、ベンチ外のメンバーも練習でのボール拾いや、
試合では声を枯らして必死で応援をした。
そして練習相手をしている選手が調子を崩さないようにと用具に気を使うなど、
細心の注意を払っていた。
練習をする際もとても集中しているのが、ボール拾いをしているときに感じた。
そのように一人一人が立場は違うけれども役割を見つけ、その役割を全うしたことが
優勝といういい結果に結びついたのではと思う。

④私はサポートする側でしたが、練習中や普段の生活で試合に出場する選手たちが
どうしたら最高のパフォーマンスを発揮できるかを考え、実行してきたつもりですが、
少しでも優勝に貢献できていたら良かったと思います。

⑤個人的にはインカレや秋リーグの優勝をリアルタイムで見ることができて幸せに思いますし、
監督、コーチそして選手には感謝の気持ちでいっぱいです。
劇的な勝利を何試合も見させてもらいました。
僕も大きい舞台でそういう試合をしたいと強く思い、一つの目標となりました。

⑥今回学んだことは、専修大学戦では、ほとんどが逆転勝ちというとても熱い試合でした。
競り合いの場面でしっかりとラケットを振れていたり、よい判断ができていたり、
メンタルの強さを感じました。
技術の向上や自信もそうですが、メンタルの強さがとても大事だと思いました。

⑦自分はベンチには入れなかった為試合に出る人のサポートに徹しました。
チームが優勝する為に出来る事は限られているので少しでも役に立ちたくて出来る事を
率先してやるようにしました。
選手の買い出しや氷を買いに行ったり、クーラーボックスの準備、球拾い、応援など
自分の出来ることをきっちりやりました。
そしてそれ以外の場面でもなるべく選手の邪魔にならないよう気を配るようにしていました。
その結果全勝優勝をする事が出来ました。

⑧気持ちが絶対に落ちない。このことを強く思った試合だった。
彼はリードされていても果敢に攻めて最後はしっかりと勝利した。
メンタルタフネスが重要だとそのとき強く思った。
際どいボールでも足を伸ばしてとっていてノータッチはない。
同期にエース格を狙う者、勝負所で強い者が活躍していてやはりすごいと思うし、
私もそういう選手になりたい。

⑨勝てないものは勝てないと諦めている自分がいたのですが、
成長型マインドセットの説明を受けて、元の能力だけが全てではなく、
まだ成長できるのだということを学び、
自分も少しでも強くなれるように頑張ろうと思うことができた。

⑩相手がどんなに入ってきてもめげないで最後まで強気でプレーをしていて
応援をしている側も興奮して感動しました。
自分も練習を頑張ってあのくらいいいプレーが出来るようになりたいです。
その為には普段の練習から高いレベルのプレーが見れるので、
それを参考にして取り入れられるものはどんどん取り入れて
自分のレベルの向上をしていこうと思います。

⑪春のリーグ戦の反省を生かして、
仕事の面から何事にも誰よりも早く行動するように心がけた。
応援の時も春リーグ戦の時より大きい声で応援するようにした。

⑫今回のリーグ戦では、チーム全体で春リーグ戦の悔しさを晴らして優勝する
という想いがとても強かったのではないかと思う。
専修大学戦では春リーグの時と同じように1-3とリードされたが、
試合に出る人やベンチメンバー、応援メンバーの諦めない気持ちが強かったため、
逆転することができたと思う。
また、試合に出ている選手の試合中の気持ちの強さや気迫にはとても感動した。

⑬今回も前回と同じく観客席からの応援となりました。
裏方として、ボール拾いや買い出しなど出来る限り選手のサポートをし、
精一杯応援しました。

⑭主将が多球練習に誘ってくれて厳しいメニューを組んでくれました。
全身が筋肉痛になるくらいきつかったです。
この練習のおかげで動きはすごくよくなりました。
動きだけでなく精神的にも強くなったと思います。
苦しい場面でも踏ん張れたのは厳しい多球練習があったからだと思います。
すごく自信になりました。これからも継続してやっていきたいと思います。

⑮秋季リーグ戦で良かった点は春季リーグ戦で足りなかったことをメンバーの一人一人が
各自自覚して行動することによってチームの雰囲気が明るくなり、
その結果試合に出る選手への配慮や、
試合中の気持ちのこもった応援に繋がったのだと思いました。

⑯ベンチから試合を応援しながら、
もし自分がその場に立って試合に出てプレーするのであれば
どのような戦術で戦うかをイメージしていました。
しかし、どんなにイメージトレーニングをしても緊張してガチガチになっている自分が
想像できてしまいました。
そのようになっては絶対に勝てないし、
自分のプレーもできないで終わってしまうと思いました。
これを克服するためには今よりも精神的に成長しないといけないので
練習中は試合だと思い緊張感をもち、試合は思いっきりやるよう、
吹っ切れた状態で自分のプレーをするように心がけていきたいと思います。

⑰秋リーグは結果内容ともに大変良い形で終えることができたと思います。
一番の勝因は全員がチャレンジ精神を持って優勝を目指せたことだと思います。
⑱改めて気持ちの持ち方や準備というのが大事だと実感しました。
今回のリーグ戦で優勝できたのは、一人一人が球際に強いプレーができたのはもちろん、
やはりベンチにいる選手、観客席で応援している選手が
一丸となって試合に臨むことができたからだと思います。
試合をしていてもとても心強かったです。

⑲特に専大との試合は逆転の試合が多くて、
みんなの気持ちが切れることなく一つになっていると最も感じた場面です。
気持ちで負けていなかったと思います。
しっかり気持ちを崩さず、
みんなで同じ方向に向かっていく大切さを改めて実感できました。
後輩たちにはチームみんなで同じ気持ちを持ち、
崩すことなく取り組みグランドスラムを達成してほしいです。

⑳約2年学連役員として様々な貴重な経験をさせてもらいました。
私を抜擢してくれた監督に感謝したいと思います。
実際にリーグ戦を運営してみると、
会場に訪れる多くのOB・OGの方々が現役を応戦する姿、試合開始前の校歌など、
他の大会とは違う雰囲気がそこにはありました。
幹事長として運営した最後のリーグ戦が
明治の優勝とともにあったことを非常にうれしく思います。
ここでの経験は人としての成長もワンステップではなく、
だいぶ進歩させることが出来たと思います。
これから明治の中で学連役員を経験する人がいるならば、
幹事長としてリーダーとしての立場を経験してほしいと思います。