人を動かす薬、それが目標

2016/11/01

『人を動かす薬、それが目標』
(苦しさから逃げたら「楽」、苦しさを越えたら「楽しい」)

アメリカでは、11月8日に大統領選挙があり、1年以上過熱した状態が続いています。
トランプ氏と、クリントン氏はお互いに、政策論議より批判中傷合戦に明け暮れている状態で、どちらが大統領になったとしても、世界のリーダーとしてやっていけるのか、
私達の目から見ても不安な状況です。

今、駐日米国大使として活躍しているキャロライン・ケネディ氏の父、
元アメリカ大統領のジョン・F・ケネディは、スピーチの名人と言われました。

『アメリカ国民よ。今の時代は非常に厳しいものです。
障害は山ほどあります。けれど、われわれは道標となる炎を照らし出し、
一緒に未来へ向けて歩き出そうではありませんか。
ウィンストン・チャーチルも言っています。
“過去と現在のはざまをこじ開けなければ、未来を失うことになる”と。

さて、われわれの関心は、まさに未来にあります。
世界は変化しています。古い時代は終りました。
古いやり方は決して通用しません。
世界を見てください。特に発展しつつある若い国を。
そこでは若い人たちが団結し、過去の呪縛を振り払おうとしているではありませんか。

変化の時代に、現状維持などありません。
今一度、フォロンティア・スピリットを持つべきなのです。』

(ジョン・F・ケネディ 1960年7月15日 ロサンゼルスにて)

スピーチの名人ケネディは、1960年の大統領選で、ニクソンを僅差で下し、
わずか43歳という史上最年少で米国大統領に就任しました。

彼は、人に目標を与えるのがうまかったと言われています。
命令するのではなく、目標を与えるのです。

ケネディに目標を与えられた人たちは、それを命令ととらず、「夢」を見ました。
そして、ケネディの夢をあたかも自分の夢のように思い込み、一生懸命に努力をしたのです。

ケネディには、「月に人間を着陸させたい!」という強い思いがあり、
この思いに共感した人達は、ケネディの夢を我ことのように思い込み、
嬉々として宇宙船のロケット準備を始めたといいます。
それから、「月」への挑戦が始まりました。

1957年10月、ソビエトは、人類初の人工衛星「スプートニク1号」の打上に成功、
1961年、人類初の有人宇宙船「ポストーク1号」の打ち上げに、成功しています。
「地球は青かった」のユーリー・A・ガガーリンの言葉はとても有名です。

こうした状況に危機感をもったケネディ大統領は、
月着陸を目標とした宇宙開発計画を実行する演説を行ったのです。
そしてついに、1969年7月20日、
アームストロング船長が、アポロ11号から切り離された月着陸船イーグルで、
月面の「静かな海」に着陸しました。

目標があるのと、ないのとでは、人の意気込みが違うのは当然です。
漠然と仕事をしているうちは、何の面白味もないし、一定以上の努力もしません。

例えば具体的な目標として、「全日本学生や全日本選手権で優勝したい」
「日本代表として世界やオリンピックで活躍したい」
或いは「将来立派な社会人となって成功したい」、「両親に親孝行したい」、
といった目標ができると、同じ努力をしていても、そこには見えない“やる気”がついてきます。

人々を動かす薬   それが目標なのだと思います。

“一生懸命やりましょう”というお題目だけで尻をたたいても、それでは人は動きません。
各自が目標を決めるのです。
そうすると、人はその目標に向かって走り出します。

水谷隼と丹羽孝希は、次の東京では金メダルを狙って、
明大卓球部は、グランドスラムの連勝に向けて、       

選手個人としては、水谷、丹羽に追いつき、追い抜いて、東京オリンピックで活躍したい、
という大きな目標を持ち、しっかりした計画を練って、願晴る選手の出現を願って止みません。

何をやるにしても、
苦しさから逃げたら「楽」になり、苦しさを乗り越えると「楽しく」て、たまらなくなるものです。