知恵と力を一点に集中し、希望に燃えて羽ばたこう

2013/4/01

「強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ」

これは、日本経済新聞のプラス1という紙面の「何でもランキング」に掲載された、
「座右の銘にしたいのは」という項目の第一位となった言葉だ。
(元西ドイツ代表のサッカー選手フランツ・ベッケンバウアー)

いよいよ新年度が始まった。
有望な新人も集合し、春季リーグのレギュラーメンバーを決める強化合宿も終わり、
新生明治大学の船出だ。
全員で高い志を持ち、新たな目標に向かって精進し人間力を高める努力をしよう。

人は、顔も体格も違えば、性格や、好みや、ものの見方、考え方も、
卓球のスタイルも、目指す方向も違う。
十人十色だから良いのであって、そういう、
さまざまな人がいるから面白くて楽しいのである。

サービスだけは他人(ひと)に負けない、チキータは、フリックは、
F・H強打は、ドライブの威力は、
B・Hの強打は、プッシュやナックルは、フットワーク(前後・左右)は、
それぞれの選手がこれだけは「絶対に一番になるぞ」と決心して、
新しい技術に挑戦する。

一人ひとりが自分の考えを深め、独自に研究し、知恵と力を一点に集中する。

そういう雰囲気が充満するチームになれば、そこには相乗効果が生まれて、
すばらしい文化が育まれることは間違いない。

私は、3年間懸命に努力すれば、必ず一流選手となって世界で活躍出来る、
と確信を持っている。
1日/6時間/340日=2,040時間×3年間=6,120時間≒6,000時間
この6,000時間を集中した濃密な時間をかけて訓練すれば、卓球ばかりではなく、
ビジネスの世界でも一流になれる、
司法試験などにも合格できる・・・と断言している。

しかし、その6,000時間は、とにかく集中してやらないとダメで、
ダラダラやっているだけでは、それが好きなことや、得意なことであっても、
一流にはなれない。永遠になれません。
ただ、世界一になるには9,000時間が必要で、特に心の強化が重要です。
この3年間死ぬ気になった覚悟でやり切れば、
後はそれが習慣となり、習性となってどんどん成長していきます。

こういう話しをすると、大変そうに思うかも知れないが、
嫌いなこと、苦手なことをやれ、
というわけではないので、案外誰にでもできるのではないかと思っている。
何故なら長所伸展法だから。
自分の長所を認識してどんどん伸ばせばいいのである。

それにやることが好きなことだから、自分自身で学ぶ姿勢になる。
一般的には「教えられて育つ」ことを経験してきたが、
これからは自ら「学び育つ」ということを意識して成長しよう。

「教えられる」のと「自ら積極的に学ぶ」のと、
どちらが教育効果が優れているかは
いうまでもない。
もちろん、教え導く人の情熱や能力の高さも求められるが、
指導者側にも教え導く時間はどうしても不足がちになるので、
それは学ぶ側の自覚で補う以外はないのです。

「燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ 鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」
 ということわざがあります。
小さな鳥には大きな鳥が抱いている志が
どうして理解することができようか・・・という意味で、
燕や雀のような地べたを這う小さい鳥には、
天高く舞う大きな鳥の志は理解できない。
小人物には大人物の心がわからないことのたとえです。

我々も、大空高く舞い上がっていこうではないか。 
今まで目先のことばかり考えていたことが、ばかばかしくなってくるだろう。
大空高く舞い上がり、ずっと遠くを眺めると、
地上では見えなかった素敵な風景が見えてきます。

地べたでは見えなかった全体が見えてくる
地べたでは見えなかった未来が見えてくる

そうなんだよ、今、何をすべきかも、はっきり分かってくるんです。
志を高く持てばいいんです。 ただそれだけです。
志とは心指しです。人は心の指す方向へ行くことができるようになっています。
目先のことにあれこれ悩むより、志を高く持つ方がはるかに楽です。
何故なら未来が見えるから。 上昇気流に乗れるから。

志を高く持ち全体を見渡そう。
目先のことに目を奪われないで、物事を大局的に見る目を養っていこう。

そして、この新しい希望に満ちた年をそれぞれが自分の役割をしっかり認識し、
「個」の力をパワーアップし、チーム一体となって、羽ばたいていこう。