向こう岸 見ているだけでは 渡れない
『向こう岸 見ているだけでは 渡れない』
(つらいのは、幸せの一歩手前)
「向こう岸 見ているだけでは 渡れない」
この言葉は、私が親しくお付き合いをしているファッションデザイナーの
コシノジュンコさんが出版した著書、
お母ちゃんからもろた 「日本一の言葉」 娘コシノジュンコからみた、
母小篠綾子の強い生き方~ から抜粋した言葉です。
向こう岸というのは、憧れているもののこと。
自分が行きたい国や会いたい人、やりたい仕事や夢や目標のことです。
向こう岸を「ええな、キレイやな」といくら眺めていても、
向こうから船がやってくることはありません。
たとえばテレビに出ているものなんて、はるか遠い向こう岸ですよね。
自分には一生、縁のない世界かもしれない。しかし、向こう岸に行きたいと思う。
ならば、それを渡るために、知恵と工夫と努力を重ね、準備しておく。
そしていざというときに、チャンスをつかまえる度胸が必要。
お母ちゃんは、「まずは渡る算段をすることが必要や」といつも言ってましたね。
向こう岸というのは、人生におけるビジョンみたいなもの。
ビジョンを持ったら、些細なことでもいいから行動を起こす。
そうして努力していれば、やがて向こう岸に渡るときが自然にやってきます。
まずは、向こう岸には「何があるんだろう」と好奇心を持つこと。
そして、「いつか渡ってみたい」と求め続けること。
それが、向こう岸を渡る方法なのです。
なんでもまず興味を持つこと!
「向こう岸 見ているだけでは 渡れない」 いい言葉ですね。
何事をやるにしても興味を持ち、強い思いをもって準備することが大事です。
スポーツの世界では心・技・体の強化が重要だと言われています。
その中でも、私は心が最も大事だという持論です。
80%から90%は心です。ですから、勝つためにはその心の強化が必要です。
自分は絶対に日本一、世界一になりたい━ と思う心が強ければ、
どのような訓練が必要なのかがわかります。
どれだけの精神力、技術力、体力、を身につけなければならないか、
それも心に左右されます。
心が優れていれば、人一倍の執念を持って、
訓練をやり通すことができるのです。
途中で挫折しそうになっても、くじけることもありません。
ところで、最近「体罰」のことが社会問題になっていますが、このことについては、
私は、指導者が選手に対して、
本当に愛情を持っているかどうかということが問題で、
愛情を持って選手と共に感動を味わっていこう
という気持ちが大事だと思っています。
指導者として最も大事なことは、意欲の動機づけと適切な刺激を与えることです。
上から押し付けてやらせても、あるレベル以上にはいきません。
成長というのは、決して右肩上がりにいくものではありません。
ぐっと伸びて停滞する。そして、壁にぶつかる
その壁にぶつかったときに、指導者がどの位、適切な刺激と適切なアドバイスを
与えられるかが大事なのです。このように人は、階段式に成長するものです。
選手自らが意欲を持って、自分から厳しい世界へ挑戦していけるように、
指導者は適切な刺激と意欲を持たせることが重要です。
アスリートの指導は、絶対に長所伸展です!短所(欠点)是正ではいけません。
これは私の体験からくる持論です。
『命』 北原照久著 北原コレクション 「いい漢字」 より
じっと見つめていると・・・この字は「人」が「一(度)」は「叩かれる」と書く。
いま辛いのは一度叩かれているところだ。
それは生きている証拠、くよくよしないほうがいい、と。
一回くらい叩かれてはじめて一人前の人となれる・・・と、ボクは解釈する。
親や、友人や、指導者が耳に痛いことを言う。
あるいは健康そのものだった人が、たまには病気をして、
苦しく、痛いおもいをする。
でも考えてみれば、叩かれて痛い、苦しいと感じるのは、
命ある証拠、生きている証なのだ。
逆境はまさに千載一遇のチャンスと心得るべし。
ピンチの意味するところが天命と気づいて、
そこから教訓を学びとり、人として命をいつくしむことのできる、
まさに最大の喜びに転化できるチャンスではないか。
あながち「一度は叩かれて(まっとうな)人となる」と
考えても的外れではないかもしれない。
「辛」という字に、横一本の棒を加えれば「幸」になる。
つらいのは、幸せの一歩手前なのだ。
辛くて厳しい訓練の扉の向こうには、今まで見たことのない幸せと感動が
待っていることを信じて、努力しよう。