第2回 授賞式について

第2回(2019年)未来のいしずえ賞授賞式

2019年2月27日

[スポーツ部門] [医療部門] [保健福祉部門] [教育部門] [社会活性化部門]の各受賞者にKODAMA国際教育財団理事長 児玉圭司より表彰状と賞金100万円の目録が授与され、「未来のいしずえ賞」実行委員長コシノジュンコより記念品(トロフィー)が贈呈されました。
長年人知れず努力を重ねてこられた受賞者の方々の大変率直な喜びの言葉と、謙虚で地に足のついたコメントに、会場はほっこり温かな空気に包まれました。
各受賞者への敬愛にあふれユーモアに満ちた推薦者の熱いメッセージも場内を大いに沸かせました。

第2回(2019年)未来のいしずえ賞授賞式

主催者挨拶

主催者挨拶

一般財団法人KODAMA国際教育財団は、未来に向かって豊かな社会の礎を築くために、人知れず地道な努力を重ねている方々、誰も目を向けてなかった領域に挑戦している方々の功績を讃える国際賞として「未来のいしずえ賞」を起ち上げました。スポーツ部門、医療部門、保健福祉部門、教育部門、社会活性化部門の各部門で、世のため人のため、強い意志をもって人知れず努力されている方々を顕彰させていただくことを誇りに思います。

  • コシノジュンコ 実行委員長

    コシノジュンコ 実行委員長

  • 岡山 慶子 実行委員

    岡山 慶子 実行委員

各賞発表と授賞式

スポーツ部門 受賞者

小平 安彦 ・ 小平 光子 夫妻Yasuhiko Kodaira・Mitsuko Kodaira

(スピードスケート選手 小平奈緒の両親)

小平 安彦
小平 光子

栄えある賞をいただき、大変重く受け止めています。子どもを授かったときに、人生という時間を本当に悔いなく過ごしてほしいと思い、その気持ちだけで過ごしてきました。橋本会長には大変お世話になっています。そういう人と人のつながり、支えてくれる方々がいて、今の奈緖がいます。けっして親の力ではありません。このような賞をいただいたことで、もう手遅れかも知れませんが、自分の身をただしていこうと思っています。
(小平安彦氏)

橋本会長から身に余るようなお言葉をいただいて恥ずかしいような気がしています。幼い頃の奈緖は私の背中に隠れて、大好きな選手からサインをもらってちょうだいと頼むような子でした。挨拶もろくすっぽできないような。それがいまは、よくあんなにしゃべれるなと思うくらいになりました。このような賞をいただきましたが、ただただ一生懸命こつこつとやってきたというだけです。これからも、こつこつ、真面目に、すこし手を抜きながら人生を送ってまいりたいと思います。
(小平光子氏)

橋本 聖子推薦人

(参議院議員、参議院自由民主党議員会長、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事、公益財団法人日本スケート連盟会長)

橋本 聖子

平昌オリンピックでの小平奈緒選手は31歳という年齢を感じさせないすばらしい活躍をされ、スポーツを超え、国と国の境をなくすという外交面での活躍においても世界を魅了したと思います。「人間力なくして競技力の向上なし」をテーマに掲げてきた日本オリンピック委員会に、小平選手は大きな自信と誇りを与えてくれました。私が小平奈緒さんを尊敬するのは、勝ってなお反省し、勝ち方の質を上げていくことによって新たな道を切り開いていくことです。それは、小さい頃から、お父様、お母様が教えるのではなく、何をやるべきかを自分で発見するように支えて来られた結果だと思います。その教えをスポーツ界も見習って、小平選手のようなすばらしい選手を育て、2020東京オリンピックの成功に導けるようがんばっていきたいと思います。

医療部門 受賞者

有田 美智世Michiyo Arita

(NPO法人さい帯血国際患者支援の会 理事長)

有田 美智世

陰ながら何か役に立てばいいと思ってここまでやってまいりましたが、思いがけなくこういう光のある場所に立たせていただきまして感謝しております。

私は18歳まで屋久島で育ちました。言わば井の中の蛙です。世の中のルールを知らず、30数年前にいちばん怖い病気は白血病だと思って、骨髄移植に関して何かやろうと、とんでもないことに思い至りました。少年赤十字、青年赤十字の活動を通じて献血推進運動を見ていたからです。それで、赤十字の社長や厚労省の担当のところに駆け込んで、「私に何かできますか?」「何をしたらいいですか?」と相談し、助言を受けながら、ここまで来ました。私は何もしていなくて、ただ、いいと思ったことをしゃべって動いただけで、官僚の方や、お医者さまや、政治家の方たちが、患者のためにしてくださった。

そういうやるべきことをきちんとしてくださる方が世の中にはおられることに大変感謝してまいりました。

これからも陰で一生懸命できることをしながら励んでまいりたいと思います。

山中 伸弥推薦人 推薦人代理 髙須 直子 (京都大学iPS細胞研究所副所長、教授)

(京都大学iPS細胞研究所所長、教授)

髙須 直子

山中所長と私が有田さんに初めてお目にかかったのは2012年、山中がノーベル賞を受賞する前でした。iPS細胞はいろいろな細胞からできるのですが、さい帯血からつくったiPS細胞がとても性質がいい。どうしたらさい帯血を手に入れることができるのかと私たちが思案していたところでした。

有田さんは昔から骨髄バンクやさい帯血バンクの設立に市民の立場から尽力されていて、さい帯血をiPS細胞に使いたいという私たちの意図を非常によく理解してくださって、厚労省にかけあったり、議員さんにかけあったり、一生懸命動いてくださいました。

おかげで私どもの研究所では2年前から、さい帯血由来のiPS細胞を世の中に提供できるようになりました。まもなく人のからだに移植できる直前まで来ております。

有田さんには研究所がピンチのときに署名活動や寄付を集めていただくなど助けていただきました。山中所長は有田さんに会うと、まるでお母さんに会った息子みたいに顔がゆるんでいます(笑)。

これからも我々を支え、iPS細胞の普及にも力をお貸しください。

保健福祉部門 受賞者

武藤 芳照Yoshiteru Mutoh

(東京健康リハビリテーション総合研究所所長、日本転倒予防学会理事長)

武藤 芳照

栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。この賞は、一緒に活動してきた全国の仲間たち、そして現在の私のスタッフ、また私を陰で支えてくれた家族・・・みんなにいただいたものであり、その代表として私がここに立っているのだと思っております。

転倒予防の活動を始めて25年になります。超高齢社会の中、ひとりひとりの高齢者が転倒を防ぎ、骨折を防ぎ、寝たきり、要介護を防ぐための工夫をみんなで考えようということで、転倒予防教室を始め、転倒予防医学研究会を発足させ、日本転倒予防学会を設立し、現在に至っております。

私どもの学会は、看護師、理学療法士、ケースワーカー、弁護士、法医学系の研究者、編集者、ジャーナリスト、専門分野や立場の異なる人たちが集まっておりまして、とくに大事にしているのが教育社会啓発活動です。
まず10月10日を「転倒予防の日」と制定いたしました。「テン」と「とう」で転倒予防の日です。
次に標語をつくりました。「ぬかづけ」です。「ぬ」れているところ、「か」いだん、段差、「かたづけ」てないところが、転びやすい。並べて「ぬかづけ」とご記憶ください。
それから転倒予防川柳を毎年公募し表彰しています。

いくつかご紹介いたしますと、
「つまずいた 昔は恋で 今段差」
「上がらない 年金 こづかい つま先が」
「すべりどめ つけておきたい 口と足」
「離さない 昔は君で 今は杖」

私がいちばん面白いと思っておりますのは、
「消えてゆく 足の感覚 妻の愛」
これはじつは15歳の女の子がつくったそうです(笑)。

このようにさまざまな手段をとりまして何をしているかというと、ひとりひとりの意識を変える。意識を変えれば、行動が変わり、習慣が変わります。そして予防につなげようということです。私は骨を扱う整形外科医ですので、今後もまさしくこつこつと転倒予防の仕事を続けていきたいと思っております。

水谷 八重子推薦人

(女優、歌手、エッセイスト、日本転倒予防学会名誉会員長)

水谷 八重子

どんなすばらしい選手でも、どんなすばらしい女優でも、お金持ちでも、貧しくても、みんな同じに歳をとり、これはもう逃れられない事実です。悲しい、残酷なことかもしれません。
でも、このあいだ芝居を見にいらしたお客さまが何人かで私の楽屋を訪ねてくださいました。その中に静岡からたったひとりで来られたおばあちゃまがいらっしゃり、私の楽屋で100歳のお誕生日を迎えられました。そして、「私、ひとりで帰るんです」とおっしゃって、すたすたとお帰りになりました。

寝てるって楽ですよね。でも、それは元気なときだけ。
いつまでも、生きているかぎり、ぜったい寝たきりにはなりたくない。
そう思いませんか?
何ができなくてもいい。寝たきりになりたくない。
それを一生懸命考えてくださっているのが、この武藤先生です。
転ばせない、転ばないように、いろんな方法を考えて実行していらっしゃいます。
私もこれから心得て実行しようと思っております。
みなさん、武藤先生を真似しましょう。
先生、これからもよろしくお願いいたします。
(水谷八重子氏)

岡山 慶子推薦人

(株式会社朝日エル会長)

教育部門 受賞者

原 美穂Miho Hara

(青山学院大学体育会陸上競技部町田寮寮母)

原 美穂

ただの体育会の寮母、ふつうの寮母がこのような貴重な賞をもらっていいものかと大変恐縮しております。
うちの監督は、みなさんもご存じのように、どんどんいろんなところに出て行くので、「あなたは陸上部の監督じゃないの?」と私が引き戻して、それで陸上部がなんとかもっているというのがここ数年の状態です。そういう意味で私の功績は大きいのではないかと思います(笑)。
いろんなメディアの方がうちの寮にいらして、「本当に明るいですね!」「TVでやってるそのままですね!」とよく言われます。私の中ではそれがふつうなのですが、みなさん、学生がスポーツに打ち込んでいる姿に清々しさを感じられるのだと思います。
うちの大学だけでなく、大学のスポーツ選手というのは、4年間の中でいろいろなことを感じながら、ひとつのことに打ち込んでいく。その姿を見ることが感動や共感につながるのかなと思います。
私もじかにそれを受け取っていて、それは貴重な体験をさせていただいているのだな、いい仕事をさせていただいているのだなと思っています。
このような賞をいただき、これからもさらにいっそうがんばっていきたいと思います。

平田 竹男推薦人

(内閣官房参与、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局長、早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科教授)

平田 竹男

私は原監督が早稲田大学大学院のスポーツ科学研究科に在籍されたときに主任教授としておつきあいしました。そこで最優秀論文賞をもらわれたわけですが、その過程で原晋氏がなぜ凄いのかがわかってしまいました(笑)。そもそも原監督は、一面識もなかった美穂さんがたまたま電話に出たときに、すかさず食事に誘ったという人です(笑)。そして、広島でずっと働く人だからと、ご両親の期待もあって美穂さんは原監督と結婚されたのだと思うのですが、それが、突如、青学へ行くと。このようにすべての面でめちゃくちゃな原監督が大学院で最優秀論文賞をもらえたのは、おそらくは奥様の力添えがあったからではないかと思うわけです(笑)。

明るい陸上部、明るい体育会と、原監督が近年スポーツ界に果たされた成果は大変大きいと思います。今スポーツ界が抱えている問題を晴らすためにも、もっともっと活躍していただけるように、美穂さんに支えていただければと思います。

社会活性化部門 受賞者

金澤 泰子Yasuko Kanazawa

(書家、久が原書道教室主宰、書家 金澤翔子の母)

金澤 泰子

このような輝かしい賞をいただきまして本当にありがとうございます。

障がいのある子を授かって長い間悲嘆に暮れておりました。けれども翔子に孤独な時間を費やせるようにと思いまして、書道を教えました。そうしたら、翔子が書を書く姿を見て大変多くの方が喜んでくださる。とくに知的障がいのあるお子さんをお持ちのおかあさんたち、まだ希望を見いだせず苦しんでおられるおかあさんたちがとても喜んでくださる。

その姿を見て、翔子はすばらしいことをしているんだなと思い、私は老骨に鞭を打ちながら、毎年、今年で終わり、今年で終わりと思ってやってきました。

けれども、このすばらしい賞をいただきましたので、もうそんなことは言いません。倒れるまでやろうと決意しました。とても大きな賞でした。ありがとうございます。

澤 和樹推薦人 推薦人代理 八反田 弘(東京藝術大学 演奏芸術センター准教授)

(東京藝術大学学長)

澤 和樹

東京藝術大学では2011年より毎年「障がいとアーツ」というイベントを開催しております。障がいのある方とそうでない方が同じステージに立って、音楽やダンスなどを共有していきましょうという試みで、翔子さんにはすばらしい書を披露していただいています。それを目的に来場されるお客さまもたくさんおられますし、初めて翔子さんが書いている姿をご覧になり、出来上がった作品を観て本当に感動してくださるお客さまが大勢おられます。脇で見ている私たちもその感動を共有しながら幸せな時間を過ごさせていただくのです。

翔子さんの書を拝見しますと、心があります。それから歴史もあります。とくに大きな作品を拝見させていただくと、私はそこに宇宙を見る思いがします。それぐらいスケールの大きな書を書いてくださっています。

はやぶさが次に宇宙に行くときは、翔子さんの書を携え、宇宙に展示してほしいと思うくらいです。

そのような翔子さんを育てられた泰子さんは本当にご立派だと思います。本日はおめでとうございました。

各部門受賞者

  • 各部門受賞者
  • 各部門受賞者 スポーツ部門

    スポーツ部門

  • 各部門受賞者 医療部門

    医療部門

  • 各部門受賞者 保健福祉部門

    保健福祉部門

  • 各部門受賞者 教育部門

    教育部門

  • 各部門受賞者 社会活性化部門

    社会活性化部門

授賞記念パーティ

金澤翔子さんのご揮毫

​未来に羽ばたくという意味合いで「翔」という文字を揮毫いただきました

​金澤翔子さんのご揮毫
金澤翔子さんのご揮毫
​金澤翔子さんのご揮毫

来賓のご挨拶

河村建夫氏 来賓のご挨拶

河村建夫氏
(衆議院議員、元内閣官房長官、現自由民主党地方創生実行統合本部長)

金澤翔子さんのすばらしい書に酔っております。私も実は国会議員の書道連盟の会長をしておりまして、地元の新年会では書き初めをするのですが、全然迫力がちがいます(笑)。

児玉理事長とは卓球のご縁で知り合い、もっともっと社会貢献をされたいということで、私は日本ラオス友好議員連盟会長でもあることから、ご縁の深さを感じながらおつきあいさせていただいております。

未来のいしずえ賞は本日が2回目の授賞式となります。どの方のお話を聞いても、本当にこの賞にふさわしい方だと思い、この賞のすばらしさを感じ、この場にいることの幸せを感じます。

この賞を3回、4回と続けることによって、もっともっと社会がすばらしいものになると思っております。

乾杯酒のご紹介

​司会進行:青木裕子氏
(軽沢朗読館長/元NHKアナウンサー)

テーブルの上にあるお酒「参議院」のラベルは金澤翔子さんが書かれたものです。先般、児玉理事長がこの授賞式の打ち合わせで橋本先生の事務所にお伺いしたときに、ご紹介いただいたものです。今日はこのお酒で乾杯をしたいと思います。
このお酒は福島の復興を祈念してつくられたもので、その経緯について橋本聖子さんにご説明いただきます。

乾杯酒のご紹介 青木裕子氏
乾杯酒

金澤翔子さんの書が日本酒「参議院」に刻まれた経緯

河村建夫氏 来賓のご挨拶

橋本聖子
(参議院議員、参議院自由民主党議員会長、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事、公益財団法人日本スケート連盟会長)

2年前、参議院は70周年を迎えました。その折に、東日本大震災からの復興を祈念し、福島県産の日本酒を用いた『参議院』をつくりました。ラベルは、震災の翌年、2012年、いわき市に「金澤翔子美術館」が創設され、館長も務め、まさに福島の復興を見届けるという思いで活躍されている金澤翔子さんにお願いしました。70周年を迎えた参議院も、これから新たな未来に向けて希望をもってしっかりやっていこうという思いを込めております。翔子さん、どうもありがとうございました。

乾杯

​コシノジュンコ実行委員長

乾杯 コシノジュンコ実行委員長

受賞者の関係者の方々のメッセージ

​原 晋 氏Susumu Hara

(青山学院大学 陸上競技部監督)

原 晋 氏

じつは私を育ててくれたのは家内でございまして、私は監督なのですが、”監督の監督”は妻です(笑)。

結婚生活もまもなく25年を迎えるわけですが、陸上から離れ、精神的にも落ち込んで現役時代は58kgだった体重が93kgまで増えたときに知り合いまして、今日私がこうしてみなさまの前でえらそうに話ができるのも妻のおかげだと思っております。今年は連覇できず負けましたけれども、再度青学陸競時代を家内と共に創っていきたいと思っておりますので、応援いただければと思います。

和田 知佳 氏・橋詰 真衣 氏Chika Wada ・ Mai Hashizume

(小平奈緒選手のお姉様)

和田 知佳 氏・橋詰 真衣 氏

今日は父、母、奈緖のおかげでこのような席にお呼びいただき大変嬉しく思っております。父と母を誇りに思っております。
(和田 知佳 氏)

父と母には本当に温かい心で育ててもらって、私たち三姉妹がこうしていられるのは本当に父と母のおかげだと思っています。父と母がこのような賞をいただいて嬉しそうな顔をしていることを私たち姉妹も嬉しく思います。本当にありがとうございます。
(橋詰 真衣 氏)

川窪 臣知 氏Takanori Kawakubo

(NPO法人さい帯血国際患者支援の会 理事)

川窪 臣知 氏

医療部門賞を受賞した有田が理事長を務めるNPO法人さい帯血国際患者支援の会でボランティアとして働いております。なかなかふだん表に出る活動をしない、というのが我が会のモットーでありまして、あいつらは何をやっているんだと不審がられております。ひとことで言えば、ロビー活動をしている市民団体というところです。今回このような栄えある賞をいただき、みな慣れておりませんので、ドキドキしております。この場を借りて厚くお礼を申し上げたいと思います。

ディルク・ファウベル 氏

(一般財団法人KODAMA国際教育財団 評議員)

ディルク・ファウベル 氏

私は今日本で大変話題になっている外国人労働者のひとりで(笑)、児玉さんとは古くから関係があります。この財団をつくったときはすばらしいと思ったのですが、正直言いまして、全然びっくりしませんでしたよ。児玉さんと奥さんを見ていて、いつかこうなると思ったのです。来年、新しい受賞者のすばらしい業績を紹介していただくことを楽しみにして、また来年会いましょう。

中締めの言葉

中締めの言葉 鳥飼 重和 氏

鳥飼 重和 氏 (「未来のいしずえ賞」実行委員)

“いしずえ”になるということはなかなかできないことで、君が代に「さざれ石の巌をなりて」とありますように、小さな石が集まって、長い時間をかけてだんだん硬い石となっていく。これがいしずえです。

世の中のいしずえは、人によってつくられます。私は弁護士なので相続のお手伝いをすることが多いのですが、相続という字は非常に意味深いと思います。相続の「相」という字は、「木」の横に「目」と書きます。これは、亡くなった方が木を育てる姿を、ご家族や周りの方がずっと見てきたという意味です。「続」は糸偏です。ずっと続いていたものがプツッと切れる。それをつなげる。相続にはそういう意味があるのです。遺言も、「これを頼む」「あなたはこういうところを生かしなさい」と、最後にどうしても伝えたいことを言葉にするのが本来の意味です。

未来のいしずえ賞は、誰に言われるでもなく、自分がやるべきことを受け止め、人知れず未来のいしずえを築いておられる人々、ふだんは表に出ない方々を表彰する賞です。2回目を迎えた今日も、本当にすばらしい受賞者の方々、推薦者の方々が揃って、非常にうれしく思います。

関係者の方々には、この賞がますますすばらしい賞として、未来へのいしずえとなっていけるように、これからもご協力をお願いいたします。