第5回 授賞式について

第5回(2021年)未来のいしずえ賞授賞式

2022年3月15日

「第5回未来のいしずえ賞」は、コロナに関係した方々、困難な状況下にあって人間の本質、医療の本質を見極めながら人知れず陰で支え、活動された方々、及び東京オリンピック・パラリンピックでご活躍された方を対象に実行委員会にて受賞者を検討しました。

第5回(2022年)未来のいしずえ賞授賞式

主催者挨拶

主催者挨拶

KODAMA国際教育財団の活動の大きな柱のひとつである、「未来のいしずえ賞」は、未来に向かって豊かな社会の礎を築くために、人知れず地道な努力を重ねている方々の活動はもっと脚光を浴びるべきであり、称賛すべきであると考え、この顕彰制度を立ち上げました。
より良い社会へと導くために、強い意志をもって活動されている方々の功績を称える国際賞です。
2021年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、またコロナもいまだ終息には至っておりませんので、この2つの分野で受賞者を選考いたしました。
東京オリンピック・パラリンピック関係では、水谷信雄・万記子ご夫妻、平井伯昌さん、野田文江さん、コロナ関係では、福井トシ子さん、大阪府健康医療部さん、みなさん、本当に有難うございました。心から感謝申し上げます。

  • 未来のいしずえ賞 記念品に込めた思い

    未来のいしずえ賞 記念品に込めた思い

    コシノジュンコ 実行委員長

  • 未来のいしずえ賞の審査選考について

    未来のいしずえ賞の審査選考について

    岡山 慶子 実行委員

各賞発表と授賞式

水谷信雄・万記子夫妻Mr.Nobuo Mizutani and Mrs.Makiko Mizutani

(東京オリンピック混合ダブルス・卓球金メダリスト、水谷隼さんのご両親)

水谷信雄・万記子夫妻

このたびは素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。
私は普段はサラリーマンをしており、夜、地域の少年卓球団で活動しています。1944年に「豊田町卓球スポーツ少年団」を設立し、隼も一緒に活動を始めました。
小学1年の時に全日本卓球選手権大会で準優勝、翌年には優勝、中学2年の時に卓球協会のご推薦でドイツ留学の話がありました。
ドイツでの5年間はいろいろ苦労があったと思うのですが、弱音も吐かずにやりきって日本に戻ってきました。そういう精神力がメダルにもつながったのではないかと思います。
伊藤美誠選手は2005 年の4月から当団に入団して8年間一緒に活動しまして、その後はみなさんもご存じのように大活躍してくれました。
2人は11歳の差があります。家もすぐ近所で家族ぐるみのつきあいをしておりまして、この2人がまさかオリンピックで混合ダブルスを組むとは本当に夢のようで、なおかつ金メダルということで、本当にうれしく思いました。
豊田町卓球スポーツ少年団は今年で28年になりますが、その間、卓球関係者の方々からご支援をいただき、オリンピック選手が2人も出たことに本当に感謝しております。この賞を励みに、これから30年、40年、健康が続く限り、家内と協力し合って、次の伊藤美誠選手、オリンピック選手を出すぞという気持ちで頑張りますので、今後ともご指導・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

児玉圭司推薦人

(KODAMA国際教育財団理事長)

児玉圭司

日本卓球界に悲願の金メダルをもたらした水谷隼選手と伊藤美誠選手のペア。この2人は静岡県磐田市の同じ少年団出身でした。
水谷選手が5歳の時に、水谷信雄さん、万記子さんご夫婦が設立した「豊田町卓球スポーツ少年団 」です。
ご当地はサッカーのジュビロ磐田のお膝元とあって中学からはサッカーに専念することを希望していた水谷選手を粘り強く説得し、卓球に専念させたのもご夫妻でした。
もちろんサッカーをやっていたとしても、世界で活躍する一流選手になっていたとは思いますが。
その後、中学から欧州に武者修行に行った水谷選手は、本人の努力が実り、今回の快挙に繋がりました。
ご本人の努力もさることながら、幼い頃から天分を見極め、その才能を信じて長年励まし続けたご夫妻の努力なしに、卓球界初の金メダルはなかったことでしょう。
「見えない努力を称える」本賞にふさわしいその功績を称え、推薦させていただきました。

水谷隼さん
水谷隼さん

お父さん、お母さん、おめでとう。
僕は5歳の時に卓球を始め、12歳まで静岡県にいたのですが、両親の指導は本当に苦しくて、厳しくて、逃げ出したくなる日々でした。
でも、厳しい中にも愛があり、苦しい中でも成績はどんどん伸びていきました。
ドイツ留学のほかに中国リーグやロシアリーグにも行きましたが、振り返って一番厳しかったのは、両親の指導を受けた小学校の時です(笑)あの時を乗り越えたからこそ、去年のオリンピックの金メダルがあると思っています。
お父さん、お母さん、ありがとうございます。
僕は去年、卓球選手を引退しましたが、これからは指導者として卓球界のため、さらにはスポーツ界のために頑張っていきたいと思っています。

平井伯昌さんNorimasa Hirai

東洋大学教授、同大学体育会水泳部監督・元東京オリンピック競泳日本代表ヘッドコーチ

平井伯昌さん

本日は大変素晴らしい賞をいただきましてありがとうございます。
東京オリンピックで大橋悠依選手が2つの金メダルを獲得してくれました。
それと同時に競泳日本ヘッドコーチと日本水泳連盟の競泳委員長を降り、3足のわらじのうちの2足を脱いで少し淋しくなっていたところに、未来のいしずえ賞受賞のご連絡をいただき、今後もさらに東洋大学水泳部の監督として頑張ろうという気持ちにさせていただきました。
競泳委員長やヘッドコーチを辞めてもコーチとして引退するわけではなく、まだまだパリオリンピック、ロサンゼルスオリンピックまで、現役でコーチを続けていきたいと思っております。
じつはつい先日、競泳国際大会の選考会で、中学1年から14年間教えてきた青木玲緒樹(れおな)選手が日本記録を大幅に更新しました。
また、東洋大学で指導してきた花車優選手が初めて世界水泳の代表とアジア大会の代表に選ばれました。おかげでがぜんやる気が出て、本日の受賞式にも安心して出席することができました。
今回の受賞は、私自身の未来へのいしずえと捉え、今後とも頑張っていきたいと思います。

村山よしみ推薦人

(公益財団法人日本水泳連盟副会長)

鳥飼重和

平井伯昌さんは、長年にわたり、水泳指導者として活躍されています。
早稲田大学を卒業後、日本のジュニア競泳選手の育成に重きを置く「東京スイミングセンター」に就職され、多くのトップスイマーを指導されました。
オリンピック2大会で金メダルに輝いた北島康介選手、また萩野公介選手、中村礼子選手など、数多くのメダリストを育成されてまいりました。
昨年の東京2020オリンピックでも大橋悠依選手が200メートル個人メドレーと400メートル個人メドレーの2種目において2冠を達成されました。
平井伯昌さんは、「選手としてだけではなく、人として育てる」という信念をもって多くの選手たちを指導されています。
選手の育成には苦慮されることも多いと思いますが、選手ひとりひとりと向かい合い、コミュニケーションを重ね 、学び、育てる、を実践されています。
日本の水泳界にはなくてはならない存在だと思います。
2023年には福岡で世界選手権が、2024年にはパリオリンピック・パラリンピックが開催される予定です。
日々の鍛錬により多くの選手を世界に導く平井伯昌さんに敬意を表し、本賞にふさわしい方としてご推薦申し上げました。

野田文江Fumie Noda

(日本スポーツ協会公認スポーツ指導員・水泳コーチ2・日本パラスポーツ協会公認上級障がい者スポーツ指導員・日本水泳連盟公認競技役員B級審判員・スイミングアシストグループ代表)

野田文江

水泳指導員として長年勤めてまいりましたが、このような素晴らしい賞をいただくことは思いもよりませんでした。
本当にありがとうございます。
脇目もふらず水泳指導に没頭してきた私を支えてくれた主人、娘のおかげだと思っております。
また山田美幸がメダルを獲得したのは、30年余り共に活動してきた岡野さんなしには成しえないことでした。
私は今79歳ですが、これからも現役の指導員として「ようこそ、プールへ!」の精神でやっていきたいと思っています。

櫻井誠一推薦人

(パラリンピック水泳連盟常務理事)

櫻井誠一

山田美幸選手は生まれながらに両上肢がなく、左右の脚の長さが違うので、普段は電動車椅子を使っています。
食事も勉強もすべて足でこなします。
人間の能力というのは計り知れないものがあります。
パラ水泳の指導者はそういう可能性を求めて選手たちを指導しております。
山田美幸選手は本当に恐るべき14歳です。
最年少でメダルをとったことで話題になりました。
文部科学大臣から電話があり、「将来何になりたいですか」という問いに、彼女は「外交官になりたい」と答えました。
すると、今度は外務省から電話があり、「ぜひ外務省に見学に来てください」とお誘いを受けました。
こういう恐るべき14歳を育てたのが、野田文江さんです。
ちょっとした滑り台をつくって、障がいのある子どもを水の中で楽しく遊ばせ、水を大好きにさせた。
そこが本当にすごいことだと思います。
水と戯れる中で、山田選手は、残された足で水を上手く「つかむ」ことを覚え、水泳というスポーツを楽しみ、競争する楽しみを覚えた。
楽しみながら覚えることで、つらさも乗り越えていく。
そういう選手を育て上げた。
メダルを2つもとった。
これは野田さんの素晴らしい指導力の賜物だと思います。
今後とも障がいのある子どもたちがスポーツを楽しんでいけるように、野田さんに頑張っていただきたいと思います。

福井トシ子Toshiko Fukui

(公益社団法人日本看護協会会長)

福井トシ子

本日は素晴らしい賞をいただき、ありがとうございました。
日本で働いている看護職は168 万人です。このコロナ禍にあって、病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所、保健所で、日夜、365日、人々に寄り添うことを忘れずに、最前線で働いています。
このことが本日の未来のいしずえ賞につながっていると理解しています。
日本看護協会があることで、現場の看護職がこれからも長く安全に働いていけるように、このいしずえ賞をいしずえに、私も引き続き頑張っていきたいと思っています。
みなさまにおかれましては、「感染しない、感染させない」、引き続きこの合言葉で、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。

コシノジュンコ推薦人

(KODAMA国際教育財団理事、デザイナー、JUNKO KOSHINO株式会社)

コシノジュンコ

コロナ禍がこんなに長く続くとは思ってもみませんでした。
昨年も大阪府看護協会会長の高橋弘枝さんを表彰させていただきまして、これが最後かと思いましたが、今年はいよいよ日本看護協会会長の福井トシ子さんを推薦させていただきました。
この2年間、看護師さんは本当にすばらしい活躍ぶりで、本当にご苦労さまです。

大阪府健康医療部さん
大阪府健康医療部さん

本日は素晴らしい賞をいただき、ありがとうございました。
日本で働いている看護職は168 万人です。
このコロナ禍にあって、病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所、保健所で、日夜、365日、人々に寄り添うことを忘れずに、最前線で働いています。
このことが本日の未来のいしずえ賞につながっていると理解しています。
日本看護協会があることで、現場の看護職がこれからも長く安全に働いていけるように、このいしずえ賞をいしずえに、私も引き続き頑張っていきたいと思っています。
みなさまにおかれましては、「感染しない、感染させない」、引き続きこの合言葉で、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。

山中 伸弥推薦人

(京都大学iPS細胞研究所所長・教授、公益財団法人iPS細胞研究財団理事長)

山中 伸弥

新型コロナウイルスによるパンデミックが始まって早2年以上が経過しました。
同じウイルスでありながら、その被害は国や地域によって大きく異なることを私たちは学んできました。
大阪府は、人口当たりの感染者数や重症病床の逼迫など、日本の中でも最も深刻な状況が長く続いています。
そうした状況に毅然と対峙してきたのが、藤井睦子氏が率いる大阪府健康医療部です。
感染者のモニター、マスクや防護服の調達、病院への支援、ワクチン接種など多岐にわたる業務を担当されてきました。
大阪府健康医療部の皆さんは直接の医療従事者ではありませんが、行政の立場から施策の立案・実施を通じて国難ともいえる新型コロナウイルスの感染拡大に臆することなく立ち向かわれています。
コロナ禍を克服し、コロナ後の未来に向かって豊かな社会の礎を築くため、縁の下の力持ちとして努力を重ねているその功績は、未来のいしずえ賞の趣旨に合致していると考え、推薦させていただきました。
大阪府民の一人としても、そのご活躍に心から御礼を申し上げます。

受賞者 集合写真

  • 受賞者 集合写真1
  • 受賞者 集合写真2

いしずえ賞がご縁でできたプロジェクトのご紹介

岡山慶子 実行委員

●ラオス栄養改善支援プロジェクト
2021年東京栄養サミットを機に、日本栄養士会がラオスの栄養改善支援を8年間行っていくことを表明しました。
日本栄養士会会長の中村丁次さんは第3回いしずえ賞の受賞以来、当財団と深く関わってくださり、今回の取り組みに至りました。
本プロジェクトは、当財団が主幹となって日本栄養士会と神奈川県立保健福祉大学、両国の政府・大使館および保健医療機関等の連携により行います。
なお、当財団が首都ビエンチャンにモデルスクールとして開校したラオ・ジャパン・スクールで行っている学校給食のシステムをラオスのすべての小学校に拡大します。

●コロナ禍のサンクスナースプロジェクト
サンクスナースプロジェクトの一環として、卓球で活躍されている3選手(水谷隼さん、丹羽孝希さん、張本智和さん)がコロナ禍に支え続けている医療従事者の方への感謝の気持ちを込めた共同の感謝メッセージとサイン入りTシャツを、全国の医療機関に抽選でお届けしています。
これも、未来のいしずえ賞のご縁から生まれた活動です。

岡山慶子 実行委員

来賓のご挨拶

乾杯 コシノジュンコ実行委員長

河村健夫氏
(自由民主党副総裁特別補佐)

未来のいしずえ賞授賞式に出席するのは5回目になります。
今回は一段と盛り上がったような感じがいたしております。東京オリンピック・パラリンピックで素晴らしい活躍をされた方たちを支えてこられた方たち、コロナ禍において頑張ってこられた方々をこうして表彰される。この考え方が素晴らしいと思います。
コロナ禍での限定された中ではありますが、素晴らしい感動を呼ぶこの会が無事に運営できましたことを大変うれしく思います。
今回授賞されました皆様に心からお祝いを申し上げ、本当にご苦労様でした、よかったですね、とお伝えして、ご挨拶に代えさせていただきます。本日はおめでとうございました。

山中伸弥実行委員
(京都大学iPS 細胞研究所所長・教授、公益財団法人 iPS 細胞研究財団理事長)

第5回未来のいしずえ賞を受賞された皆様、本日は誠におめでとうございます。
豊かな社会のいしずえを築くための、皆様の地道な努力に感謝すると共に、心からお祝い申し上げます。
去年の夏、東京オリンピック・パラリンピックが無事に開催され、私も皆さんと同じように、心から感動しました。
改めてスポーツの凄さ、素晴らしさを実感いたしました。
コロナ禍が長引く中、オリンピック・パラリンピックは日本中に元気と勇気を届け、社会を明るくしてくれました。
選手の皆さんは1年間の延期にもかかわらず目標の達成に向けて日々の厳しい鍛錬を続けて素晴らしいパォーマンスを発揮され、日本は過去最多のメダルを獲得しました。
その裏には、大変な状況の中で選手を支えてこられた指導者や家族の、厳しく、かつやさしい愛情があったということを今日実感させていただいております。
そして、忘れてならないのは、新型コロナウイルス感染に立ち向かってくださっている方々です。
もう2年以上経過しました。
日本が諸外国から比べると大きな被害から逃れることができているのは、医療従事者や行政の皆様のたゆまぬ献身的なご尽力のおかげです。
東京オリンピック・パラリンピックにおいても、皆様の貢献があったからこそ、安全安心な大会が運営できたことを実感しております。
今回受賞されました皆さんは日本を笑顔にする縁の下の力持ちです。
皆さんがより良い未来に向けて実践されている活動が、日本から世界へと、国際社会に示すお手本となり、今の大変困難な状況を打破する力となることを確信しております。
受賞者の皆様、本日は本当におめでとうございました。

山中伸弥実行委員のご挨拶

締めの言葉

締めの言葉 鳥飼 重和 氏

鳥飼重和 (「未来のいしずえ賞」実行委員)

受賞者の皆様、本当におめでとうございます。
素晴らしい方々を表彰させていただいて、素晴らしいお言葉を感激して聞いておりました。
「いしずえ」というものは、なかなかそう簡単にできるものではありません。
皆様が素晴らしい選手を育て、社会に貢献されている姿を拝見して、本当に普通ではできないことをおやりになっていると感激しました。
この授賞式をTVで放映して全国の方に見ていただいたら、ものすごく元気になる方や、「自分も医療従事者になるんだ」とか、「オリンピックに出るぞ!」という方がたくさん出てくるのではないかと思います。
そのぐらい勇気とエネルギーを与えていただきました。
私も、もっと努力をして、少しは社会に貢献できるように頑張らなければいけないと教えていただきました。
皆様に本当に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。